電験1種1次試験の受験体験談 【各科目の対策などを整理】

私は電験2種の2次試験後すぐに勉強を始め、翌年(令和6年)の電験1種を受験しました。
結果は1次試験は合格で2次試験は不合格・・・。しかしながら、1次試験は運良く4科目合格できました。
その電験1種1次試験4科目合格できた私の経験を基に電験1種一次試験の受験体験談や私が思う1種ならではの問題や各科目の対策を整理しました。
これから1種を受験する!興味がある!方は是非最後まで読んでいただけたらと思います。
(はじめに)1次試験の電験1種と2種の違い
試験概要
1次試験における電験1種と2種の違いについて、試験概要の違いをざっと以下の表にまとめました。
電験1種 1次試験 | 電験2種 1次試験 | その他 | |
問題数 | A問題:4題 B問題:2題 | A問題:4題 B問題:3題 | |
配点 | 80点満点 A問題:10点/題 B問題:20点/題 | 90点満点 A問題:15点/題 B問題:10点/題 | |
合格点 | 48点(60%) | 54点(60%) | 点数調整あり |
試験時間 | 90分 | 90分 |
各科目を通じて電験1種と2種の違い
各科目を共通して1次試験における電験1種と2種の大きな違いは以下の3点です。
・電験1種の方が計算量が2種より圧倒的に多い
・電験1種の方が出題数が少ないので1問あたりの配点が重い、安易に捨てれない。
・電験1種の方が出題範囲が広く、初見では解けない専門的な問題が増える。
上述したように共通して言える1次試験における電験1種と2種の違いは計算量が多いことや点数配分が厳しくなる事があげられます。次に各科目事の電験1種一次試験の対策を整理してみました。

電験1種は難しい問題が増える為、2種よりも時間の余裕がありません。その為、時間配分の対策も重要です。
私は配点が高いB問題から解く事をオススメします。
1次試験80点満点中、A問題は4題40点ですが、B問題は2題で40点です。
B問題の方が点数配分がA問題の2倍なので、一通り着手しないと合格点に到達するのが難しいです。
そのため、まだ時間に余裕のある試験開始直後に点数配分の高いB問題から着手する事をオススメします。
電験1種 理論の対策
電験1種 理論の対策について
私が行った電験1種理論の対策は下記の通りです。
①電磁気学の参考書を勉強
②ベクトル解析の参考書を勉強
③過去問を周回
私自身勉強してみて、2種相当の知識がある人ならば、過去問を周回すれば電験1種理論で新たに出てくる単元は習得できると思いました。
また、電磁気学に時間を使いすぎないこと!これは結構大事。
電験1種理論の最難関は電磁気学で間違いありません。しかし、電磁気学専門の勉強に多くの時間を消費してしまうのは良くありません。
私の失敗経験ですが、電磁気学専門の参考書を購入して時間をかけて勉強しましたが結局身につきませんでした。それもそのはずで奥が深い電磁気学を数日で習得しようなんて甘ったれの考えでした。(習得には数年はかかると思います笑)
なので、
電験において最も効率的な電磁気学の勉強方法は過去問周回時に必要であれば電磁気学の専門書を開き、必要な部分だけ勉強する事がオススメです。それだけで十分合格点に到達できます。

私は電磁気学の必須知識であるマクスウェルの方程式やベクトル解析については公式を丸暗記で対応しました。
成り立ちや理屈等を考えるのは物理屋さんの仕事!電気屋はその知識を使う事が仕事!
責任分界点を意識して勉強する事が合格の近道です!
電験1種 電力の対策
電験1種 電力の対策について
私が行った電験1種電力の対策は下記の通りです。
①電験2種2次試験の参考書を勉強
②過去問を周回
電験1種電力の対策も過去問を周回でOKです。過去問周回でギリギリ合格点に到達できると思います。
ただ、私自身勉強して思ったことは電験1種1次試験の最難関は電力です!
2種までは理論がもてはやされてきましたが、1種ではぶっちぎりで電力が難しい!
なぜここまで電力が難しいのか考えてみました。それは1種での電力では初見のワードが度々でてくるのが普通だから笑。なので、今ある知識を使って初見のワードを想像し、答えを導き出すスキルも磨かなければなりません。
過去問を使って例えれば「石炭ガス化複合発電」。
こんなの電力会社の発電部門しか知らなそうな言葉ですよね。だけど試験では問われるので今ある知識を使って想像しなければなりません。
「石炭」で「ガス化」して「複合発電=コンバインドサイクル発電」かなぁと仮説を立て、問題文の文脈から問われている答えを想定して回答する。
このようなスキル・技能が1種の電力では必要事項だと思います。
よって、上述したような問題があるのでこれまでの勉強で見た事のある問題は落とす事ができません。対称座標法など2種までに勉強した内容や過去問の類題はサービス問題と考え、落とさないような努力が必要です。
電験1種 機械の対策
電験1種 機械の対策について
私が行った電験1種機械の対策は下記の通りです。
①電験2種2次試験の参考書を勉強
②過去問を周回
電験1種機械の対策も過去問を周回でOKです。過去問周回で合格点に到達できると思います。機械は最難関の電力と違い範囲が狭いので過去問周回で十分対策ができます。
しかしながら、難しい問題もでるのも確かです。(電力ほどではありません。)
その難しい問題というのが「電気化学」、「メカトロ」、「コンピュータシステム」などです。まぁこれは私が苦手というだけということもありますが・・・(笑)。これらの問題は専門家ではないと対策は難しいと思いました。
なので、これらの問題はできない前提とすると確実に「得点しなければならない問題」がはっきりします。
その確実に得点しなければならない問題というのは以下の通りです。
・2種レベルの「誘導機」「同期機」「変圧器」の問題
・照明問題
・パワーエレクトロニクス
これら問題に共通して言えることは「解法がパターン化されている/類題が多い」ということ。
よって、電験1種機械の対策は過去問周回し、上述した「得点しなければならない問題」をマスターすることで合格点に達すると考えます。
電験1種 法規の対策
電験1種 法規の対策について
私が行った電験1種法規の対策は下記の通りです。
①過去問を周回
電験1種法規の対策も過去問を周回でOKです。過去問周回で合格点に到達できると思います。
電験1種の法規は基本的に電験2種と似たような事を問われます。
ですが、
「2種と同じような問題が出題されるからあまり時間をかけなくていいや!」と甘い考えをしているとやられるのがこの電験1種の法規。
当たり前ですが2種より出題範囲が広くなっているので2種では出題されなかった非常に専門的な問題や細かい数値等が問われます。
正直、この1種ならではの非常に専門的な問題等を対策することは不可能です。
過去問を例にすると「接地の国際規格」。こんなの初見で出てきたら「しらねぇーよ」だし、腰抜かしますよね。日本の接地方式だって複雑で難しいのに、国際規格なんてわかるわけがないですよね。
今後も上記のような専門的な問題が出題されることを考えると2種レベルの問題を確実に得点できるように努力する事が合格の秘訣です。

ちなみに電験1種1次試験において、法規は電力の次に難しい科目となっています。
使用した参考書について
電験1種1次試験を勉強していた当時に使用していた参考書は以下の通りです。

参考書名称 | 備考 | |
電磁気学 対策 | 講談社 単位が取れる電磁気学ノート | |
コロナ社 電磁気学を学ぶためのベクトル解析 | ||
電力 対策 | 電気書院 「電験2種二次試験 これだけシリーズ」 →電力・管理 -計算偏- →電力・管理 -論説編- | 復習 |
機械 対策 | 電気書院 「電験2種二次試験 これだけシリーズ」 →機械・制御 -計算偏- →機械・制御 -論説偏- | 復習 |
過去問 対策 | 電気書院 2024年版 電験1種模範解答集 | この2冊で 15年分です。 |
オーム社 10カ年収録 電験一種一次試験 完全解答 | ||
電験王 HP 使用している上記の過去問の解説でわからない場合はこちらで勉強しました。 | 電験王は神! |

私の経験上、電磁気学の参考書をがっつり勉強するのはオススメしません。過去問を勉強してわからない箇所だけ参考書を使って調べる事をオススメします。
また、電気書院 「電験2種二次試験 これだけシリーズ」の勉強ですが、電力・機械科目に自信のある方は復習不要と考えます。
全科目を通して、過去問を基本として勉強する事をオススメします。
※上記表の参考書のほかにも調べごとで電験3種や電験2種の勉強時に購入した参考書を使っていました。

電験1種 1次試験の自己採点
これまで説明してきた私の勉強方法でどれだけ本番で点数を取れたか紹介します。
科目 | 点数 |
理論 | 57点/80点 |
電力 | 50点/80点 |
機械 | 61点/80点 |
法規 | 53点/80点 |
私が受験した令和6年度の電験1種の合格基準は以下の通りでした。
・各科目の合格点は、80点満点の理論科目48点以上、電力科目48点以上、機械科目48点
以上及び法規科目48点以上。
また参考までに私が選択した選択問題を以下に列記します。
理論:問6 /機械:問6

この年に限らず電験1種の各科目事の難易度は以下のようになっています。
難← 電力>>超えられない壁>>法規>理論>機械 →易
まとめ
これまで電験1種1次試験の体験談について述べさせていただきました。
最後に私ゆーせい流の1次試験の攻略法をまとめると・・・
①各科目の対策は過去問周回を基本とする
②二種レベルの問題を確実に得点源にする
③試験当日は配点の高いB問題から着手する
④難しい問題に直面しても挫けず日々の勉強を継続する
この攻略法を使えば合格間違いなし?かもです!
以上、参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!