過去問解説

過去問解説!【電験二種1次試験(理論)<R5:問5>】〜過渡現象をラプラス変換で解く〜

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過去問【電験二種1次試験(理論)<R5:問5>】過渡現象の問題をラプラス変換を用いて解いていきます。

※参考文献は以下の通りです。

問題【電験二種(理論)<R5:問5>】

解説

(1)

題意より、スイッチ\(b\)側にある時の\(t\)≧0の微分方程式は

\(L\displaystyle \frac{di(t)}{dt}+(R_{1}+R_{2})i(t)=0\)・・・(A)

【答え】(1)・・・(ホ)

(2)

次にスイッチ\(a\)側にある時、回路が定常状態について考える。

定常状態である場合は回路にある\(L\)は短絡とみなせる為、

スイッチが\(a\)側にある時の定常状態の電流\(i_{a}(\infty)\)は

\(i_{a}(\infty)=\displaystyle \frac{V}{R_1}\)

であり、これはスイッチ\(b\)側に切り替えた瞬間時の電流\(i(0)\)に等しい為

\(i(0)=i_{a}(\infty)=\displaystyle \frac{V}{R_1}\)

よって答えは

\(i(0)=\displaystyle \frac{V}{R_1}\)

【答え】(2)・・・(カ)

(3)

スイッチが\(b\)側にある時の\(i(t)\)を考える。

スイッチ\(b\)側の時の微分方程式は(1)で求めた(A)式なので

\(L\displaystyle \frac{di(t)}{dt}+(R_{1}+R_{2})i(t)=0\)・・・(A)

これをラプラス変換すると

\(L(sI(s)-i(0))+(R_{1}+R_{2})I(s)=0\)

\(i(0)\)は(2)で求めた通り、\(i(0)=\displaystyle \frac{V}{R_1}\)なので

これを代入すると

\(L(sI(s)-\displaystyle \frac{V}{R_1})+(R_{1}+R_{2})I(s)=0\)

整理すると

\(I(s)=\displaystyle \frac{VL}{R_1}\times \displaystyle \frac{1}{sL+R_{1}+R_{2}}\)

\(s\)についている\(L\)を取ると

\(I(s)=\displaystyle \frac{VL}{R_1}\times \displaystyle \frac{1}{L}\times \displaystyle \frac{1}{s+\frac{R_{1}+R_{2}}{L}}\)

\(I(s)=\displaystyle \frac{V}{R_1}\times \displaystyle \frac{1}{s+\frac{R_{1}+R_{2}}{L}}\)

これを逆ラプラス変換すると

\(i(t)=\displaystyle\frac{V}{R_{1}}e^{ -\frac{R_{1}+R_{2}}{L}t}\)・・・(B)

【答え】(3)・・・(ヌ)

(4)

(3)の答えより、

この時の時定数\(\tau\)は

\(\tau=\displaystyle\frac{L}{R_{1}+R_{2}}\)

【答え】(4)・・・(へ)

(5)

(3)で求めた答え(B)式を微分する。

\(i(t)=\displaystyle\frac{V}{R_{1}}e^{ -\frac{R_{1}+R_{2}}{L}t}\)・・・(B)

\(\displaystyle \frac{di(t)}{dt}=\displaystyle\frac{V}{R_{1}}\times -\displaystyle\frac{R_{1}+R_{2}}{L}e^{ -\frac{R_{1}+R_{2}}{L}t}\)・・・(C)

題意より

\(v_{L}(t)=-L\displaystyle \frac{di(t)}{dt}\)

なので上記で求めた(C)式を代入すると

\(v_{L}(t)=-L\times \displaystyle\frac{V}{R_{1}}\times -\displaystyle\frac{R_{1}+R_{2}}{L}e^{ -\frac{R_{1}+R_{2}}{L}t}\)

整理すると、

\(v_{L}(t)=\displaystyle\frac{R_{1}+R_{2}}{R_{1}}Ve^{ -\frac{R_{1}+R_{2}}{L}t}\)

【答え】(5)・・・(イ)

所感

過去問【電験二種(理論)<R5:問5>】過渡現象をラプラス変換で解きました。

この問題は以下の4つが重要です。

  1. ラプラス変換の公式が暗記できているか
  2. Lの定常状態を理解できているか
  3. 切替時の\(i(0)\)の成り立ちが理解できるか
  4. \(e^{ at }\)の微分が解けるか

いずれも電験二種受験者にとっては必要事項なのでしっかりと理解しておきましょう。

以上、参考になれば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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ゆーせい
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電験一種 リベンジ
おはようございます! 朝活電気エンジニアのゆーせいです。 電気系エンジニア向けの資格である電気主任技術者試験(電験)について 自身の経験に基づき情報を発信します。
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